自分が初めて北京に来た2000年。
その頃は中国で活動している日本人俳優はほとんどいませんでした。
今では、中国には日本人の役者がたくさんいます。
みんなそれぞれに夢を持ってやっている。
中には「矢野さんのように、注目されたい」と言ってくれる人もいます。
「矢野さん、一人勝ちですね」と冗談まじりに言ってくる人もいます。
自分は、ただただみんなにも頑張ってほしいと願っています。
別に誰が勝つ負けるなんてどうでもいいこと。
縁があって中国で頑張ってるわけだから。
各それぞれが、幸せで楽しく仕事ができれば、それがその人の “勝つ”ことなんじゃないでしょうか。
中国に関わらず、外国で俳優活動をするというのは、容易なことではない。
そこで成功を勝ち取るのは、尚更。
自分は幸いにも、他の人よりは恵まれた環境にいるのかもしれない。
だからこそ、その価値をしっかりと、中国そして日本でも生かさないといけない。
残念ながら、日本では「中国で著名な日本人」の評価が十分になされてないと感じます。
そこは正直不満に思っています。
日本では無名、当然ですが、“中国での有名”というのがキャストの番手などに反映されないのが現状にあるのかなと思います。
自分も譲れない部分はある、自分のためだけではなく、中国で頑張っている他の日本人のためにも、「日本の作品だから妥協する」ではいけないと感じる。
「日本で活動している日本人が上で、中国で活動している日本人は下」というイメージにされてるのであれば、そこは違うと声を大にして言いたい。
どっちが上、下ではない。
変な感覚ですが、僕は日本人なんですけど、日本の作品に出させてもらってる時は、日本人だと思って仕事をしてません。言い方変ですが “外者”としてやっています。
なぜなら、その方が楽だからなんです。
実際、外者でもありますので。
別に自虐的に言ってるのではなく、素直にそう思ってます。
だから、自分を日本人俳優・タレントの物差しに当てはめてもらいたくないのが、自分の思い。
おそらく、このことを理解できる人は数少ないだろうね
いろいろ、言いましたが、なんだかんだ言っても、役者は作品で結果を出すのが仕事。
そのことを第一にこれからも、やれる場でしっかり仕事していきます。