今日は、中国という大きな舞台で26年間活動してきた一人の日本人として、そして同じ異国の地で挑戦し続けている仲間たちへ向けて、僕がずっと心の中で温めてきた「心の声」を素直にお話ししたいと思います。
僕にとって、中国は紛れもなく大切な「ホームグラウンド」です。 四半世紀以上の歳月の中で、多くの温かい人々に出会い、顔を覚えてもらい、育てていただきました。街や現場で顔を出せば、言葉を尽くさずとも思いが伝わり、温かく受け入れてもらえる。この認知と信頼は、僕にとってかけがえのない財産です。
一方で、日本での活動においては「また一から説明しなければ伝わらない」というジレンマを感じることもあります。向こうでの物差しがそのまま使えないもどかしさもありますが、それも僕が歩んできた独自の俳優人生であり、めったにできない貴重な経験だと、今では前向きに受け止めています。
この過酷で、けれど愛に満ちた環境があったからこそ、僕は人間として、表現者として強くなれました。
今の時代、役者であろうが、アスリートであろうが、どんな業種であろうが、「言葉で発信すること」の重要性は変わりません。
たとえばアメリカのメジャーリーグで活躍する日本の選手たちを見てください。彼らは常に現地の方々やファンに対して、言葉で感謝を発信し続けています。
「自分は役者だから、芝居だけしていればいい」 「不器用だから発信しない」
そう考える方もいるかもしれません。しかし、ただ画面の中で怖い顔をしているだけでは、本当のあなたの魅力や温かい人柄はファンに伝わりません。不器用でもいいから、自分の言葉で純粋な思いを発信することで、初めてファンとの間に本当の「親近感」や「絆」が生まれるのです。それが結果として、新たな活動の場を広げることにも繋がっていきます。
異国の地で活動させてもらっている以上、現地の人々やファンに対して感謝の声を届けるのは、一つのマナーであり、果たすべき誠意ではないでしょうか。「仕事さえできればいい」と殻に閉じこもってしまうのは、少し虫が良すぎるのではないかと、僕は感じてしまうのです。
今回、僕は中国で頑張っている日本人の役者や著名人の仲間たちに声をかけ、みんなで各自メッセージ動画を撮影し、一つの感謝動画として中国のファンの皆様へ届けようという企画を立ち上げました。
声かけた際、二つ返事で「ぜひやりましょう!」と熱く参加してくれた仲間たちがいました。本当に嬉しかったです。
一方で、さまざまな事情や考えがあって参加を辞退された方もいました。それについて否定するつもりはありませんし、それぞれの立場や想いを尊重します。
ただ、僕が伝えたかったのは、一人で発信するよりも、同じ苦労を分かち合ってきた仲間同士が集まり、ひとつになって感謝を表すことの凄まじい力です。 僕自身の動画でも、時に500万回、1000万回と再生され、大きな反響をいただくことがあります。みんなで輪を広げることで、まだ知名度の浅い若い仲間たちの活動の場が広がるかもしれない。何より、中国のファンの皆様に「こんなに温かいグループなんだ」と喜んでもらえる。それこそが、僕たちがひとつになる最大の意味なのです。
SNSが得意ではない人もいるでしょう。発信しないこと自体をすべて否定するわけではありません。
しかし、自分の殻に閉じこもったまま「自分の仕事だけをこなす」というスタンスには、あえて厳しい言い方になりますが、プロとして、そして異国で活動する者として「ダメ出し」をしたいと思っています。
自分自身の声で、感謝と情熱を発信していくこと。 それが、これからの時代を生き抜く表現者として、そして温かい応援を下さるファンの皆様に対する、一番の「誠意」なのだと信じています。
浩歌(矢野浩二)