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先日、嬉しい出来事がありました。
僕が出演した中国ドラマ『風与潮』が、中国の権威あるテレビ賞「飛天賞」の優秀テレビドラマ賞にノミネートされました。
作品がこうして評価されたことは、出演者の一人として本当に嬉しいことです。
そして、もう一つ。
授賞式でノミネート作品が紹介された際、なんと僕の出演シーンが映像に流れたんです。
それも、僕一人が映っている単独のカット。
正直、驚きました。
もちろん、作品に出演したすべての俳優のシーンが紹介されるわけではありません。限られた時間の中で、作品を代表する場面が選ばれる。
その中に、自分の演技している姿があった。
たった数秒の映像です。
でも、その数秒が、僕にとってはとても大きな意味を持つものでした。
思えば、2000年4月に初めて北京へ渡り、中国で俳優として活動を始めてから26年。
これまで本当にさまざまな作品に出演させてもらいました。
2003年に出演した『記憶の証明』も、僕にとって忘れられない作品の一つです。あの作品でも非常に重要な役を演じさせてもらいました。
当時の授賞式でも、僕の出演シーンが流れたことがあったかもしれません。
ただ、今回のように、中国を代表するテレビ賞の作品紹介で、自分一人の演技するカットが映し出されたことは、少なくとも僕の記憶の中では、そう何度もあることではありません。
中国の映画・テレビ界を代表する監督、プロデューサー、俳優たちが集まる華やかな舞台。
その場所で、自分の演技が作品の一場面として紹介され、多くの人の目に触れる。
そう考えると、胸に込み上げてくるものがあります。
決して僕個人が何かの賞を受賞したわけではありません。
何か特別な称号をいただいたわけでもありません。
それでも、26年間続けてきた俳優という仕事に対して、ほんの少し、ご褒美をいただいたような気持ちになりました。
僕には、まだ叶えていない夢があります。
70歳までに、中国で俳優として何か一つ、賞をいただくこと。
映画でもドラマでも、作品の大きさや役の大小にかかわらず、自分の演技が評価される日を迎えたい。
それが、今も僕の中にある一つの目標です。
今回の出来事で、その夢に近づいたのかと聞かれれば、そう簡単なものではないでしょう。
でも、いつか自分もあの授賞式の会場に足を運び、俳優の一人としてその空気を感じてみたい。
そんな思いが、以前にも増して強くなりました。
最近の僕は、俳優以外にもさまざまな仕事をしています。
SNSで動画を作ったり、生配信をしたり、商品を紹介したり、ときにはお笑いに挑戦したり。
昔の僕しか知らない人が見たら、「いったい何を目指しているんだ?」と思うかもしれません(笑)。
でも、僕自身の中では、何も変わっていないんです。
新しいことに挑戦するのは楽しい。
知らなかった世界に飛び込むことで、新しい発見もあるし、たくさんの人との出会いもあります。
そして、そうした経験の一つ一つが、いつか役を演じるときの自分の引き出しになっていく。
人生で経験したことは、決して無駄にはならない。
僕はそう思っています。
何をしていても、僕の原点は俳優です。
2000年に北京へ渡ったときから、そこだけは一度も変わっていません。
仕事の形が変わっても、時代が変わっても、活動する場所が変わっても。
矢野浩二であり、浩歌である自分の真ん中には、いつも「役者」がいます。
それはこれから先も変わらないでしょう。
2026年も残り少なくなってきました。
今年もいろいろなことがありました。
嬉しいことばかりではありません。
思うようにいかないこともあれば、立ち止まって考えることもあります。
それでも、こうしてふとした瞬間に、長く続けてきたことの意味を感じられる出来事がある。
人生というのは、不思議なものです。
何か大きな賞を手にしたわけではない。
ほんの数秒、画面に映っただけ。
でも、そこに至るまでには26年という時間がある。
数秒の映像の向こうに、自分が歩いてきた26年が見えた気がしました。
だから、素直に嬉しかった。
そして、もう少し頑張ってみようと思いました。
いつか、あの華やかな授賞式の会場で、自分の演技が評価される日を夢見て。
まだまだ、役者としての旅は続きます。
浩歌(矢野浩二)
2026年10月